演劇女子部『ファラオの墓』

春の現場ラッシュ、言語化サボってました。


本日は池袋まで墓参りに。
演劇女子部『ファラオの墓』、マチネ太陽の神殿、続いてジュルネ砂漠の月を見ました。

原作ちゃんと読んで待機していたら、初日の感想で原作1回クリアして見た方が良い、というかむしろ読まずに見た方がいいくらいというのが流れてきて従った。
そう、あの大河ドラマを2時間にするには切ったり貼ったり書き換えたりが必要なのはわかっていたし、大好きなキャラクターがいなくなってたからある程度は予想してたけどやっぱりちょっと無理筋だったよ。しかも殺陣と歌ありですしおすし。殺陣の分、歌が減った気がした。
恋愛を物語の主軸としたことで、やはり最大の見所はスネフェルとナイルキアの心の通い合いと死。この2人にかかってる。すすり泣きが聞こえたのは成功してたんだろう。
そして13人分の見せ場を2時間に納めるという無理ゲーの矛盾は主にアンケスエンのキャラ造形と行動が背負ってた。サリオキスと恋に落ちたくだりにもうワンシーン入れられたら良かったのかなぁ。
と、突っ込みどころはどうしようもなくあるが全体を総合すると全員に見せ場があり、個々の魅力と成長が実感できる良いアイドル演劇だとは言える。
音楽も派手で歴史ロマンにあってた。衣装も良かったし、セットもいつも思うけどこれしかないよねという設計。ウィッグは今回も小田さん無理あったよね。あゆみちゃんの地毛のスネフェル良すぎてはるちゃんのウィッグも気になったけど俺たちはフロルを知ってるからな。100倍いい。

メンバーそれぞれの感想。
とにかく僕は石田あゆみさんの演技が好きだよ。人間の内面の複雑さを表現するのが上手だなと昨年も思ったのだけど、今年も凄かった。スネフェルの内面の、自分ですらコントロール出来ないままならなさ、世界と和解できない苛立ち、愛情への飢え、背反する幾つもの感情が伝わってきた。憑依型。でも誠実で緻密な演技だなと。
石田さんと並んで今回のMVPはおちぇるきあ。素晴らしいどんくさくない野中。演技がほんとに説得力あった。歌もハープも。最後すっと立ってるシーンで立ってるだけでナイルキアの人となりを表現してた。
はるちゃんはやっぱりサリオキスのさわやか青年感が本領。原作のサリオキスは虚無というか傀儡というか祭り上げられるところがとても偶像なのだが、そういうのはるちゃん向いてる。スネフェルは甘えん坊で保護欲そそる感じ。かわいそかわいい。
小田さくらさんのサリオキスは甘め。今回は分が悪いか。サライはコミカル。
生田さんはイキイキと悪役を楽しんでた。そして歌は前評判通り素晴らしかったね。殺陣も流石。あとかしこマリタ見られてよかった。
流石といえばイザイの加賀さん、想像をさらに越えて逞しかった。大きくて手足が長くてね。
譜久村さんは歌になると表現力が増すんだよほんとだよ。キャラクター造形に無理があるんだよ。髪色思ったより明るかったなあ。
狂言回しとしての説明長台詞から、歌とダンスになった途端のまーちゃんのスイッチがバチンと入るのに凄味あった。目が離せない。この人は歌い踊る人。
よこやん凶悪な可愛さ。ほんとに憎らしいほどかわいいかよ。コメディエンヌの素養充分。パビかわいい。小憎らしかわいい。
その分まりあが割食ってた。性格の素直さが気弱な感じで悪ガキ感がもう少しあるとよかったんだけどバランス的にしょうがないかな。
飯窪さんの演技も好きだ好きだよ。ほんとに細かいところのおかしみとか動きとか感情表現とか好き。リコリスも良かったもんね。
羽賀ちゃんのルーはのびのびやってたな。大きくなりそうな仔犬感はまだまだ健在。
はーちん悪くないんだけど大阪弁の出し入れできないとしたら今後そうとう不利かもしれない。
扇さんは物語に必要な役割。歌が上手い。しゅうさんはもうちょい見せ場欲しかったけど、お顔が拝めて嬉しいです。

そんなこんなで今回の演劇女子部は本日2公演で終了。
今の娘。はサンシャインちゃんと埋められるから、ここ3年の2パターンやって埋めるのやめて、1日2公演にしてコンディション良い状態でを見たいですほんとに。特に今年は工藤さんがもっと掘り下げられたと思うのよ、3日目の時点ではまだなのよ。まあ工藤さん卒業後の集客についてはまた読めないのだろうけど。それで尺の問題も解決するはず。
あゆみちゃんの男役の演技凄く好きだけど、いい仕事してた飯窪さん、横山ちゃんと小さい劇場でコメディみたい。

そういえばファラオの話をしていたらトライアングルについての戸惑いが蘇ってきて、でもサントラ聴いたら全て浄化されました。小田さん、また重たい女、お願いしますね。あれ?