髑髏城の七人 Season月

いろいろメモしたけど他に置くところがないのでこちらに投下。
飯窪さんも行ったそうですし、ハロヲタのお芝居好きの方もおススメだということで行ってきました。

にしても新年初の投稿がハローじゃないとは怠慢。

ネタバレありまくりだし、ちょっと辛口になってますのでご了承いただける方のみ先にお進みください。


下弦の月@360アラウンドシアター

初の劇団☆新感線
小説版で予習してから。

とにかくよく出来てる!
とどこか他人事というか評論家風の感想になってしまうのがnot for me という事なんでしょうね。

突っ込みどころは数多あれど、かけ算しまくってやり切ってるので最終的に満足できる娯楽大作。
友情、努力、勝利のジャンプ漫画。
イスが簡素なのも気にならないくらい笑って泣いてあっという間の4時間。
そんで客席がぐるぐる動くアトラクションで、体験として13,000円の元は取れる。
末満舞台の時と同じような感じの満足感。

1幕までの登場人物がペラペラで大丈夫か
?という心配は2幕で割り切れた。
遊廓ものかつ人間ドラマであった幕末太陽傳の素晴らしさと比べてしまうと…てかそういうの求めてくるところではない。
徹頭徹尾キャラクタードラマ。
役者が好きかキャラ萌え出来ないとつらいとこある。

戦国時代という借景、織田、豊臣、徳川という設定の利用でスピーディーな展開が可能。
戦国BASARAとか、ファイナルファンタジーとかどこかで見たことのある要素満載。
巌鉄斎はシドだし、蘭兵衛はセフィロスだし、クラウドばりの大刀出てくるし。
メディアをフルで使いました的な音楽、アニメーション、照明、衣装、殺陣のずっと後から役者と台詞。優先順位の問題。
めっちゃ眩しいし、めっちゃうるさいので耳栓は必須。

客席が回転する必然はわからないけど場転の効率はよいんだろう。しかし回るたびにいちいち怖くて集中出来ない。酔いそう。
前の人の頭で視界が遮られるので、横長に使えるメリットが活かしきれない。見えない席がかなりありそう。

捨霧はBL。
最終的には押しかけ女房。
どうも宮野さんの演技に納得いかず。
蘭兵衛がすごいエッチ。超エッチ。
たぶん周りの人3人くらいが蘭兵衛の役者さんのファンらしく同じタイミングで一斉に双眼鏡のぞくのがおもしろかった。
天魔王の人の理性的な演技も良かった。
関東荒武者隊のアンサンブルかわいい。
健気なところみせて犬死させれば泣いちゃうよね!
極楽大夫は難しい役どころだけど良かった。
コミカルな演技の経験値高い役者がエンタメとして成立させてるとこも。
特にいん平!インディーさんの異物感ほんとすごい。
中村まことさん見られて嬉しい。
渡京の飄々とした省エネ感もすごい良かった。
それでも歌舞伎を名乗るには役者が弱いよな。
ちゃんと舞台美術があるので想像の余地は余りない。
あと私、根本的に殺陣に興味ない。

もう一回定価で見たいかと言われるとそうでもないけど、どう違うかは気になるのでライブビューイングで上弦見ることにする。

上弦の月@映画館
初の演劇ライブビューイング。
200席のシアターで前売りで8割くらいは売れてる印象だったけど実際7割くらい座ってたかな。
見渡す限り一番多いのはオーバー50歳前後の女性。親子連れも2組みかけた。男性は5人くらい。劇場の時と男女比は同じような感じだけど年齢層が高い。
まあ4,500円だしな。
全国でこれだけ入ってたら結構な売り上げになりそう。

ただ、ライブビューイングだけで見る価値のある演目ではない。まあお芝居はDVDもライビュも思い出すための縁程度に考えた方がいいんでしょうね。
劇場が回らないので気持ち悪くならないのはいいけど、何が起きてるかはあんまりわからないし。まあ劇場行って見えないのもそれはそれで問題だけどさ。
後半の怒涛の捲りは生じゃないと効果半減で、最後はくさくてかなわない。
目の前で水がドバババはやっぱちょっと感動して加点されますし!

一幕は全てキャラクターと設定の紹介に終始して、二幕からが本編。
最初に見た方が印象が強くなるし、なんてったって生とライビュなので参考にならないけど、下弦の方が役者がいいと思った。
でも思った以上に役作りは同じだった。いん平はじん平と名前が変わるくらい持ち前のキャラを生かしているようだが、他はギャグまで同じ。特に巌鉄斎がほぼ同じ。
おとみは下女と遣り手でキャラクター造形自体が違った。
天魔王は解釈が違う。特に「地図を書き直さなければ」のシーン。

花鳥風月は異曲なんだろうけど、上弦下弦はただのダブルキャストだと考えるとリバースキャストはすごい発明だ。

巌鉄斎と捨之介のシーンは数少ないアドリブありっぽい。
捨之介と霧丸は圧倒的に上弦が好き。若気のいたり、という役どころだそうだけどペラペラで生かすのが難しい中でも一応生きてる感じがした。下弦の捨ノ介が脚を出しすぎてるのも嫌だったみたい。
兵五は華奢で声が高いので圧倒的に下弦が好み。大柄で力持ちな気のいいやつというイメージ。
関東荒武者隊と無界の里の女達のアンサンブルがキャラ被りしてて損。
極楽大夫が関西弁。雑賀衆だからいいのかな。ちょっと水族館劇場の千代治さんみがある。登場の時にめっちゃ足出す。下弦が好み。
蘭兵衛がぽっちゃり。エッチさは圧倒的に下弦。森蘭丸のイメージだともう少し線が細い方がイメージと合うかな。
早乙女太一の天魔王は外連味があって女々しい。当たり前だねど弟と顔似てるね。これはこれでありだけど、好みは下弦。

最後の方で気づいたんだけど、登場人物がほぼロン毛ですね!
カツラのせいかな?

霧丸は小説の沙霧のヒロイン像をそのままでなんで男の子にしたのかな?
結局のところ、蘭兵衛の裏切りも天魔王の動機も信長への愛で説明がついてしまう。
家康も非道になりきらないし、最後まで天下の話ではなく人の話だった。
唯一説明のつかない行動は渡京が担っていたけど、結局は味方についてしまった。最後裏切ってもよかったのでは?とか。


もう一回見られるなら、廣瀬蘭兵衛のエッチさとインディさんの気持ち悪さを堪能したいです。


下弦の月メインキャスト
捨之介◇宮野真守
天魔王◇鈴木拡樹 ◎
無界屋蘭兵衛◇廣瀬智紀
兵庫 ◇木村了
霧丸 ◇松岡広大
いん平◇インディ高橋 ◎
贋鉄斎◇中村まこと
渡京 ◇伊達暁
極楽太夫羽野晶紀
狸穴二郎衛門◇千葉哲也

上弦の月 メインキャスト
捨之介◇福士蒼汰
天魔王◇早乙女太一
無界屋蘭兵衛◇三浦翔平
兵庫 ◇須賀健太
霧丸◇平間壮一 ◎
渡京◇粟根まこと
極楽太夫◇高田聖子
狸穴二郎衛門◇渡辺いっけい