ジャニーズとハロプロとの比較についての長い長い作文

 嵐についてどんどん詳しくなり、ジャニーズの他のグループについても見聞きする毎日です。ハロプロとの比較で驚くことがたくさんあります。
 特にパフォーマンスをする人であるはずのアイドルがコンサートの構成、演出について自分の意見を出す形で作っていくということが、ジャニーズでは伝統的に当然「ある」ことなのだということを聞き、本当に驚いています。
 そこからわかるのは、逆に私は「アイドルは他のスタッフによって作られたものを演じる人」だと考えていることです。また、その感覚は私だけでなくハロプロ界隈で共有されていたとも思います。
 なぜならコンサートのセットリスト、衣装、演出等について非難をあびるのはいつもスタッフであり、アイドル自身は「あんなことやらされてかわいそう」という風に見られる存在だったと思うからです。
 その「お仕着せの中でいかに一生懸命がんばるか」、「枷のはめられた中で飛ぼうとする痛々しさ」みたいなものを尊ぶことこそがアイドルの楽しみ方だとも思ってきたわけです。
 最初から完成品として出てくるK−POPと、成長を見守る楽しさを商品にする日本のアイドルとの違いもそこにあるのではないでしょうか。

 もちろんジャニーズとハロプロでは前提として大きな違いがあります。
 女性アイドルは一般的に言って男性アイドルよりも賞味期限が短い。あとは、なんといっても事務所の力がぜんぜん違うわけです。女性アイドル、または弱小事務所のアイドルは、成長を待つ、育成される余裕は与えられていないのかもしれません。そして賞味期限の長い男性アイドルは、逆にある程度のスキル、またこなす力を身につけさせなければならない。それには先行投資やそれを許す事務所の基礎体力が必要でしょう。
 そういった違いが「看板であるところのアイドルが興行の内容についても口を出すことをありと考える風土がジャニーズにある理由」ではないか、というのがこの駄文の興味の中心です。

 ただ、アイドル以外の興行についていえば、演者がその内容について口を出す、というのは当たり前以下のこととも考えられます。コンサートの演出について、かける曲目について、とあるバンドが外から与えられたようにやる、という方がおかしな話しなわけです。この辺は、事業の規模と分業というまた少し違うテーマのお話かもしれません。

 あとは、ジャニーズJr.の流動性や育成、期待される役割、責任感、成長といったことについても、主にハロプロと比較する形で考えたりします。
 ジャニーズJr.は200人以上いる。これが今年の紅白の大きな驚きでした。その200人に無償でレッスンを受けさせている事務所の体力。そしてJr.というのは「今日からあなたはジャニーズjr.です。」、「今日でおしまいです。」というのがはっきりとはない、ゆるい集合だと聞いたことです。

 これはハロプロキッズが2002年に15名が合格してから、Berryz工房℃-uteとして活動する今日にいたるまでの約10年間、減ることはあっても増えることはなかったことと大きく違いがあるように思います(ハロプロエッグから有原栞菜が加入しましたが)。
 オーディションで小学生を3万人から15人選んで、その15人のうち12人が10年後も活動していること自体は、「つんくはまじ神」みたいな気持ちになりますが、あまり多くても育てる余裕は会社にないということでもあるのかなと思います。

 ハロプロの、大きなオーディションというカタチで拾い上げられた人を、その拾う過程から見せて商品化する、その中でファンをつくるというオーディション番組ASAYANからの流れ。
 ジャニーズの、ばらばらと、時によっては、母親が、姉が勝手に応募したというようなカタチで、集まったたくさんの少年達が立場を明確にされないまま振るわれていく仕組み。
 この違いはとてもおもしろいと思います。

 以上、ひさびさにアイドルについての長い作文でした。1800字超え。長い。けどきっと続く気がする。
 アイドルスターを作るシステムとしては、宝塚とエグザイルとも比較してみたいところです。
 あとは、AKBにおける秋元、ハロプロつんく、ジャニーズのジャニーさんの影響力の及ぶ範囲、どの程度のことにどんな形で決定権を持っているのかということも比較したらおもしろそう。
 この2つは今度までの宿題にします。

 ただ、ここまでの話の中で前提としてきた、「ハロプロをはじめとするアイドルは公演の内容について口をださない」、「ジャニーズはみんなコンサートについてメンバーが関わっている」、「ジャニーズJr.の枠はゆるい」という部分が大間違いだったりする可能性は大いにあります。
 そうした日にはここまでのつらつらとした考えは全くこっぱみじんなわけですので、その辺についての知識のある方はぜひご一報ください。